京町家の良さはそのままに快適性をアップさせたい(京都府・F様)

京町家の魅力は新築にはない落ち着いた佇まい。そんな魅力を壊さずに快適に暮らすための収納と窓周りの見直し事例です。

とても素敵な京町家。しかし、そのまま住むには収納が欲しいところになくて散らかってしまうし、とても不便。そこでどんな収納にすればいいか、そんなごご相談から始まりました。

まず玄関。下駄箱がなくてラックで凌いでおられましたが、お家の顔になる場所。なんとかしたいということで、オーダー家具をデザインしました。ポイントは色にこだわり、まるで初めからそこにあったかのように誂えて収めること。色の調整はもちろん、仕上げ加工にこだわり周りの雰囲気に浮かないように。足元は少し浮かせて軽やかに、同時に真っ直ぐでなかった床のレベル合わせも微調整しました。中の棚はもちろん可動棚で、家族の変化や季節の変化で変えていけるようにしてあります。

 

玄関横の畳敷きの寄り付き(今で言う玄関ホール)にもお出かけの小物などをしまえる収納があればということで、玄関同様に収納を誂えさせていただきました。とても重宝していただいているご様子で天板に腰掛けても良いし、お花やクリスマスツリーなどを飾ってもよし。楽しんでおられます。

 

写真にはないですが、LD収納もご提案させていただいています。襖の中の階段下収納の中を可動棚で有効収納できる仕組みを作ったり、リビング小さなお子様も自分で片付けられる仕組みを作ったり、数年ごとに見直せる収納をつくりました。物量が多かった衣類は、仲間の片付けのプロと連携し、インテリアデザインと並行して、じっくり取り組んでいただきました。

 

収納はただのパズルではなく、生活を上手にまわしていく要。住まうひとの行動パターンや思考パターンに沿って、無理なく仕組み化することでストレスがずいぶん軽減します。だから、一方的にご提案するのではなく、一緒に考えていただく。それをしなければ一旦整った家もすぐに乱れてしまいます。上手くいかなくても変えられるように、家族の成長とともに見直せるように、そして、整った状態をキープしたくなるような気持ちいい見た目を心がけています。

 

窓周りなどのファブリックは天然素材や刺繍が施されたデザインを選ぶことで、家の雰囲気と調和が取れ、ない時よりある方がより素敵になりました。鳥の柄は和にも洋にも似合うウィリアム・モリスの名デザイン。昼と夜違った表情を楽しむことができるのも魅力です。

 

見た目は家の雰囲気を生かし馴染ませつつ、機能面は充実させる。

古い家を受け継ぐということはとても素敵なことだから、精一杯お手伝いさせていただきました。